圓(まどか)

玉川と白壁土蔵

一歩街裏に入ると、息づく文化を垣間見る

白壁土蔵

打吹山の麓に位置する倉吉市の中心地には、ゆるやかに走る玉川を跨いで、昔ながらの風景が残っています。白壁の土蔵や、格子を設けた町家が、華やいだ江戸、そして明治の時代の面影を、現代に伝える懐かしい街並みです。

玉川の静かな流れには、土蔵と町家を繋ぐ石橋が架けられており、少し反った一枚岩の様子はとりわけ赴き深いものがあります。

昭和の頃までは、のどかさを風情としていたものの、平成に入り、人々は活性化を模索しました。やがて、力を尽くしたその取り組みは実を結び、土蔵や町家の内部を、工房やショップ等モダンに活かして、 特色ある集客ゾーンが誕生。名称は『赤瓦』。各々の屋根に葺かれた石州瓦の赤褐色が、格別に印象的なところから名付けられました。

こうした活動が評価されて、平成十年、赤瓦エリアは次代に伝えたい優れた文化のひとつとして、伝統的建造物群保存地区に指定されています。